学会発表までの流れとやるべきこと

研究

こんにちは、トウリです。今回は学会に参加するまでの流れを大まかに解説していきます。

私の初めての学会では指導教員や先輩から教わった予定をもとに、なんとか発表まで行っていました。しかし事前にスケジュールをイメージできていると、よりよい成果を発表できたり、自分のペースを大事にしながら進めることができるのではないかと思います。

そこで私が修士課程修了までに国内学会2件、国際学会2件に参加した経験をもとに、あなたが学会へのイメージを膨らませる手助けになれればと思います。

大学院生くん

よろしくお願いします!

以下が学会参加までの大まかな流れの一覧です。あくまで私が参加した学会を参考にしています。

  1. 発表する研究内容の結果をある程度出す
    (開催日半年以上前~少なくとも予稿作成前まで)
  2. 参加申し込み時にアブストラクト等の記載(開催日およそ半年前)
  3. 予稿の作成(開催日およそ3~4か月前)
  4. 参加登録時に参加費支払い(開催日およそ2か月前)
  5. 開催日までに発表資料を作成し、当日に発表

学会参加申し込み

ここでは発表の題名(英題も必要な場合あり)、著者情報、アブストラクト(要約)などを申し込み時に一緒に記載する必要があります。

アブストラクトは学会によって分量は異なりますが、少ない場合だと100字ほどで多い場合だと400字程度求められることもありました。

これは学会の開催が国内かであるかや規模によっても異なってきます。

締め切りの目安

学会開催日のおよそ半年ほど前に学会への参加申し込みの締め切りが設定されています。これは私が参加した学会を例にしているため、詳しくはご自身が参加される学会のスケジュールをご覧ください。

大学院生くん

思ったよりも前から準備しないといけないんだね!

またここでアブストラクトを書くということは、それ以前に発表できそうな見込みの結果がある状態ということですね。

見方を変えれば、参加する学会をあらかじめ決めておいて、その日時に間に合うように成果を出すような取り組みを行えれば多くの学会に参加できるかもしれません。

予稿

大学院生くん

そもそも予稿ってなあに?

予稿とは、あらかじめ書いておく原稿のこと。本原稿に対して、あらかじめ書いて示しておく概要のこと。

kotobank 精選版 日本国語大辞典より

つまり、発表する前にこのような発表をしますという文書のことを言います。

締め切りの目安

この予稿は学会開催日のおよそ3、4か月前に締め切りが設けられています。
詳しくはご自身の参加予定の学会HPを参照してください。

そのため予稿を作成するときには、発表する内容の結果を出しておく必要があります。また学会によって細かく決められた書式に合わせて作成をしていきます。これは各学会でフォーマットが公開されているので、それに従って書けばOKです。

査読

また学会によっては予稿を書いて終わりではなく、査読というものがなされることがあります。

大学院生くん

予稿を書いたあとにまだやることあるの?

査読はフォーマットに則して書かれているかをチェックされる軽めのものから、コメントを頂いたり説明の仕方を変えた方がよいのではないかといった内容に関する修正の提案をされることがあります。これは学会の規模等によって変わり、学会のHPのスケジュール部分に、複数の予稿提出締め切りがあるかである程度判断できるかと思います。

査読に対応するのは面倒かもしれませんが、独りよがりな発表内容にならないためにも大事なプロセスになります。より伝わりやすい表現を取り入れられたり、考察の質を高めるチャンスにもなりえます。

参加登録

このタイミングで学会への参加費を払います。予稿の時点で発表ができそうにない方はここでキャンセルしても支払いがないようにするためのものかと推測されます。

締め切りの目安

学会開催日のおよそ2か月前に支払いの締め切りがあります。詳しくはご自身の参加される学会のスケジュールをご確認ください。

ここではクレジットカードによる支払いやPayPal(ペイパル)のような決済サービスなどが指定されている場合があります。

クレジットカードを持っていない方は、登録をする前に1枚は作っておいた方がよいかもしれません。クレジットカード発行には審査に時間がかかる場合があるため、学会に出ることが決まっている場合は早めに対応しておくと支払いに対する不安は解消されるでしょう。

発表資料

ここまで来たら、あとは予稿にしたがって発表資料を作成する段階のため、峠は越しつつあります。

私が参加した学会では発表資料については学会側に提出は求められていませんでした。そのため学会参加日までにより完成度の高い資料を作成していきましょう!

資料作りには質問対策用の資料があるとなおよいと思います。口頭発表の場合、質疑応答の時間は3~5分くらいで用意されていたため、事前に予測される質問に答えやすい資料があるとうまく対応できるのではないでしょうか。

学会開催日

あとはご自身の準備してきた発表をするだけです。緊張するとは思いますが、これまでの準備に自信をもってください!

また学会の会場に行くと参加費の領収証等をもらいます。この領収証を学会終了後に費用の証拠として提出する場合がありますので、保管しておいてくださいね。(オンライン開催の場合は、領収証が発行されなかったりする場合があります。)

学会終了後

学会の費用を大学に払ってもらうための書類等を作成する必要があるかと思います。費用精算のための書類には、領収書やクレジットの明細が証拠書類として必要になる場合があります。詳しくはご自身の大学や研究室でお尋ねください。

大学院でJASSO第一種奨学金の返還免除を申請する方【番外編】

大学院で日本学生支援機構(JASSO)の第一種奨学金の貸与を受けている学生で、特に優れた業績としての返還免除を申請する方については、申請時に研究業績をまとめる必要があります。

これは大学に申請して、該当学生を決定して日本学生支援機構に推薦するという流れとなっています。大学によって研究業績のまとめ方は多少異なるかと思いますが、証拠書類として学会のプログラムや予稿、発表資料等が必要になる場合があります。これらを一覧で整理しておくと、上記返還免除の申請時における提出書類の作成がスムーズになるかと思います。

詳しくはこちらも参考にしてください!

まとめ

いかがでしたか?

この記事では学会発表に向けてやるべきことについて時系列に解説しました。

ここまで紹介してきた内容をおさらいしていきましょう!

  1. 発表する研究内容の結果をある程度出す
    (開催日半年以上前~少なくとも予稿作成前まで)
  2. 参加申し込み時にアブストラクト等の記載(開催日およそ半年前)
  3. 予稿の作成(開催日およそ3~4か月前)
  4. 参加登録時に参加費支払い(開催日およそ2か月前)
  5. 開催日までに発表資料を作成し、当日に発表
大学院生くん

思っていたよりも早くから準備していく必要があるのがわかったよ!

ご自身が参加される予定の学会のスケジュールは、過去の年に開催された学会を調べてみてください。おそらく例年と同じような時期やスケジュールで開催されるのではないでしょうか。

学会発表についてはわかったけど、研究の合間に学外でアルバイトしたい!と考えている人は以下の記事で解説しているので参考にしてみてくださいね!

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